第12話 何かおかしい……?

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 こうして何もせず一人っきりになると、ずっと我慢していた想いが溢れ出てきて……。  気がつくと、涙が頬を伝っていた。 「……きーくん……っ」  ──会いたい、会いたい、会いたい……っ!!  自分が異世界に来たなんて、本当はいまだに信じられない。  だけど必死にこの世界に慣れるフリをしていた。  ──そうでもしなきゃ、心が壊れてしまいそうだったから。  私はブレスレットにそっと触れてみた。  銀色に光る鎖と、透き通るように綺麗な青い石。  私ときーくんを繋ぐ、たった一つの証。 「……絶対に帰る方法を見つけるから──待っててね」  私はありったけの気持ちを込めて、青い石に口付けた。  ──私の想いが、きーくんに届きますように、と願いを込めて。  窓を見上げれば青い月が輝いていて、この世界にも月があるんだな……と、ぼんやり思う。  ……また明日が来たら、図書館で調べ物をして……あ、その前に朝ごはん食べなきゃ。  ……朝ごはんはフィテーラだっけ……。美味しかったなぁ……と、思ったところで、私は何かの違和感を感じた。 「……あれ? 何かおかしい……?」
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