33人が本棚に入れています
本棚に追加
ミミツバナと酒精を合わせれば、黄色が表れるるように、私とアンデットという言葉は、合わせれば嘘つきが表れる。
また、なのか。
下唇に僅かな痛みが走る。
けれどその痛みも、すぐに和らいだ。
「もしかすると、アンデットの血が流れてしまったのやもしれません。不浄の血が一滴でも流れば、水は穢水となる。神聖の魔法で浄化せねば……危うい」
彼は私の言葉を信じてくれた。
しかも、アンデットが原因だと言う。
「今すぐにここを出ましょう!危険だ」
行商人さんは慌てて、背負子を背負うと、私の手を引っ張った。
「5年もの間放置されたアンデットは、仲間を増やしているはずだ。たしか父君は、山頂付近で見たのでしたよね?」
山腹も麓も、人が多く住んでいて、植生は把握されている。
だから誰もつけていない、山頂付近ならば、未知の花があるかもしれないと、探索に出かけたわけで。
私が頷くと、行商人さんは顔を白くした。
最初のコメントを投稿しよう!