真っ赤な手の嘘つき娘は聖女でした〜この国を捨てて、他所の国を救います〜

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私が頷くと、行商人さんはニコリと笑った。 「早く行きましょう。2時間もあれば、私の国ですよ。神聖魔力があれば、アンデットに怯えずに済むんですが、あ!」 行商人さんは、何かを思い出したように立ち止まり、私の顔をみて目をパチパチとさせた。 「まさか……神の恩寵を?」 ◇◇◇ それから私たちは、行商人さんの故郷へと辿り着いた。 道中では何度か、アンデットの気配に怯えることもあったけれど、結局姿どころか影すら見えることはなかった。 「この国は、アンデットに滅ぼされかけた歴史がありますから、神聖魔力の持ち主は特に尊敬されますよ」 国に入ってすぐ、行商人さんに連れられたのは、教会だった。 もしかしたらということらしく、何が何やら分からぬまま、司祭服に身を纏う方が持ってきた石に触れた。 「おお!神聖魔力だ、しかも第一位階の!」 その方はひどく驚いていた。 神聖魔法も教会も私には縁遠いものだったので、ポカンとしていたら、司祭さんが饒舌に語ってくれた。
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