真っ赤な手の嘘つき娘は聖女でした〜この国を捨てて、他所の国を救います〜

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第一位階の神聖魔力は、アンデットを避ける力があり、魔法にすれば浄化までできるほどだとか。 「数千万にひとりの、特殊な魔力です。まさに神の恩寵ですな」 司祭様が手を合わせると、そのそばに控えていた修道服の女性や行商人さんまで、私に手を合わせた。 その後、教会の司祭さんと行商人さんは、なぜか揉めていた。 誰が面倒を見るか、なんの仕事をさせるかと、私は蚊帳の外であったが、そんなものは決まっていたので、司祭さんに頭を下げて行商人さんについて行った。 でも、時々司祭さんのお手伝いをすることは了承した。 私の魔力で人が救えるから、どうか時々お時間を作ってくれと、お願いされたから。 その日の夜、大雨が降った。 増水した川が、氾濫して行商人さんの故郷にも少なからず被害が出た。 けれど、アンデットの血の影響は皆無。 教会や騎士たちが総出で、川下の村々に出張り浄化を行ったからだ。 一方、私の故郷はと言えば、町々が水に飲まれて、大きな被害を被った。 それだけではない。
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