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麓の町よりも小規模だが、数百人の人が住んでいる。
私のように井戸水を使っている人もいるだろうけど、数百人規模の町だからメインの水源は川だ。
私は騎士団の詰め所で、事情を話した。
真っ赤な手を見せて、ディプリエイの花の特性を教えて、危ないかもしれないから、町長に話をしてほしいと。
すると、カウンター越しに座る騎士は、私の顔をみて、ポンッと手を打った。
「お前、嘘つきジョナサンの娘か」
私は、久しぶりにその言葉を聞いて、ひどく落胆した。
もう5年も前になる。
染師だった父が、新たな染料を探すために山を歩いていた時のこと。
酷く慌てた様子で、帰ってくると、慌てた様子で手紙を書き始めた。
何かと思えば、父は言った。
アンデットを見た。騎士団に知らせなければ。
アンデット――。
蘇った屍者であり、神聖魔法または神器でしか倒せない魔物だ。
ひとたび現れたら災厄の前触れだとも言われているから、父は慌てたのだと思う。
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