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「やめろ! っのゲスが!」
ストレッチャーのような簡素なベッドに、うつ伏せで両手両足を縛りつけられて叫んでいるのは、黒龍会若頭、上津誠二だ。
こうなったのは敵対する組、西和会の若頭、鬼藤学の企みによって拉致られたからだが、当然拉致られただけでは済まなかった。
まず、縛られた状態で西和会の連中に散々痛めつけられた。
上津はアザだらけになり、口の中を切って口の端から血を流していたが、服を切り刻まれて真っ裸に剥かれ、浣腸とシャワ浣をされてこのベッドに拘束されたのだ。
足を開いた無様な格好は、この後起こる事を予感させたが、上津は決して西和会には屈しなかった。
身体中の痛みは鬼藤への怒りとなり、苦渋に満ちた表情で屈辱を受け止める。
そんな中、案の定鬼藤がやって来てローションを局部に垂らした。
「そらローションだ、俺は優しいからよ、なあ、あとでキメセクやろうぜ、けど、最初は俺を素で味わって貰う」
鬼藤は上津の無様な姿に昂り、股間を開いてナニを引っ張り出した。
「この変態野郎が!」
上津は首を捻って後ろに向き、鬼藤に向かって怒鳴った。
「無駄だ、どんなに暴れても……こうしてじわじわ入ってく」
だが、鬼藤はニヤニヤしながら上津の上に被さると、ガチガチに勃起した竿を尻の谷間に埋め、切っ先を上津の後孔に突き刺した。
「うっ! くうぅっ!」
解してないアナルを貫かれるのは激しい苦痛を伴い、下手をしたら大出血を起こしかねないが、鬼藤がローションをたっぷり垂らしたお陰でそれは免れた。
但し、直腸を強引に抉られたら痛いのは当然だ。
上津は歯を食いしばり、拳を握り締めて耐えた。
「いてぇか? もっと苦しめ、俺はキツキツで気持ちいいぞ」
鬼藤は窮屈な後孔を味わい、上津に屈辱感を与える事に興奮し、ヌチャヌチャ音を立てて腰を振る。
「ハァハァ、うっ! く、くそ!」
上津はただただ悔しかった。
まさか身内に裏切り者がいるとは思わず、油断して薬を盛られたのは失態もいいところだ。
「あー、いいわ、おい上津、おめぇは俺の女になったんだ、これから毎日可愛がってやるぜ」
鬼藤は興奮がピークに達しようとしていた。
動きを早めながら、上津の項を舐め回す。
「やめっ! へ、変態が! ハァハァ」
ぬめる舌が這い回り、上津は悪寒が走ったが、激しく突かれて息が乱れた。
「そんなに締めるなよ、出ちまうじゃねーか」
鬼藤は上津の両腕を押さえつけ、ラストスパートをかける。
「や、やめろ! ハァハァ」
上津は痛みに顔を歪めながら、怒りでいっぱいになっていた。
「あっ……! あー、出た、お、おおー、こりゃいい」
鬼藤は腰を突き出して止まり、ナニがドピュッと体液を放った。
「ううっ……ち、ちくしょー」
上津は体内で脈打つモノを感じ、悔しさを滲ませて呻く。
「はあ、上津君、君のケツマンはなかなか優秀だ、なはははっ!」
鬼藤は出し終えると、竿を引き抜いてハンカチで拭い、ハンカチを床に投げ捨ててナニをしまい込む。
「くっ、こんな事……くそ! 離せ!」
体内から鬼藤が放った体液が溢れ出し、上津は拘束された手足をバタつかせて藻掻いた。
「ふっ、あとでまた来るからよ、次はキメセクだ、あはははっ!」
鬼藤は高笑いすると、最悪な事を言って監禁部屋を出て行った。
「ハァハァ、き、気色わりぃ」
上津はケツがヌルヌルになるのが嫌で堪らなかったが、身動き出来ない状態ではどうしようもない。
この監禁部屋は地上部につき出た上部に格子付きの小さな窓があるだけで、6畳ほどの広さがあるが、地下室になっている為、どれだけ騒いでも音が漏れる事はない。
そもそも、鬼藤の屋敷の敷地内なので、絶対に外部に知られる事はないのだ。
……………
上津の屈辱に満ちた日々はなかなか終わる事がなかった。
黒龍会の人間はやっきになって上津を探し回ったが、上津を裏切った若頭補佐、真庭祐一がその指揮を執っていた為、見つかる筈がない。
真庭は上津が西和会に殺られるのを密かに待っていた。
上津は当たり前にそんな現状を知らないが、真庭の裏切りを知っているのは上津だけだ。
救いようのない状況の中で、恐らく……真庭はこのまま自分を見捨て、自分が若頭の地位につくつもりだろうと、そう予測していた。
上津は手枷足枷をつけられ、食事は犬のように這いつくばって食べ、トイレはまるで刑務所の独房のように隅にある為、そこで排泄をするのだった。
時折西和会の幹部連中がやって来て、何人かで上津を犯すのだが、この部屋にはトイレと同じように部屋の隅にシャワーが設置してあり、そこには排水口もついていた。
連中はそこで上津の体や体内を洗浄して輪姦した。
上津は西和会の連中の肉便器と化していたが、幹部連中に輪姦されるよりも、鬼藤にヤラれる方が遥かに嫌だった。
上津と鬼藤は昔から敬遠の仲で、事ある毎に対立してきた。
力では上津の方が上だった為、まだ下っ端だった時に上津が鬼藤を刺して怪我を負わせた事がある。
鬼藤は過去に味わった辛酸を晴らすかのように、恥辱に塗れる上津の姿を嬉々として見ていた。
上津は度々キメセクを強いられた。
「はっ、あぁっ!」
薬が回ると、いくら上津でも自制が効かなくなる。
拘束を解かれ、鬼藤にベッドで抱かれているが、憎い相手に貫かれて喘ぎ声をあげ、股間のイチモツが白濁汁を垂らす。
「なあ上津、たまによ、お前に刺された古傷が痛むんだ」
鬼藤は正常位で体を揺らしながら、脇腹の傷跡を撫で回す。
「ん、あっ、あっ」
上津は完全にキマッてしまい、ナニが腸壁を抉る度にアヘ顔を晒している。
「おめぇとは何度もやりあってきたが、俺はお前に勝てなくて悔しかった、おめぇは俺にとってムカつく相手で……それとは正反対に、俺はお前の強さを羨んでた、今じゃ互いに同じ立場まで上り詰めたが、どうしても勝てなかったお前をヒィヒィ言わせるなんざ、たまらねーぜ、なあ上津、俺のは気持ちいいか?」
鬼藤は上津の顔に自分の顔を近づけ、唇が触れるスレスレの所で上津に問いかける。
ヌチャヌチャと音がして、鬼藤のナニが張りを増してきた。
「んあ、き、気持ちいい、もっと……もっと突いてくれ」
薬の力は絶大だ。
上津は鬼藤に抱きついて自ら腰を浮かせ、普段なら有り得ない言葉を口走った。
「なあ上津、キメセクやる時のおめぇは淫乱で……すげーエロい、ただよ、このままじゃポン中になっちまう、俺は幹部連中にヤラせるのをやめさせる、お前は俺専用の玩具になれ、だからよ、キメセクはやりたくねーんだ、あんだけ強かったおめぇをポン中にしたくねー、上津、薬なしで俺になびけ、西和会に入れてやる」
鬼藤はキメセクをする時の上津の乱れっぷりにあてられていた。
何度も抱くうちに薬ではなく、素の自分を上津に受け入れさせたいと思うようになり、昂った勢いでつい話しかけた。
「ん、んあっ、いく、いく、気持ちいい、ああっ!」
しかし、上津はまともに話ができる状態ではなかった。
メスイキして体をビクつかせて悶える。
鬼藤は苦笑いして上津の乳首を捻り、キスをしてラストスパートをかけた。
キメセク中に何を言っても無駄だ。
わかりきっているのに、薬でキマった宿敵に向かって真面目に話をした。
「ふっ、俺は何言ってんだか……」
鬼藤はそんな自分自身を嘲笑すると、自分にしがみつく上津を激しく突き上げて止まった。
びゅるるっと体液が飛び散ると、身体中に快楽が駆け抜け、鬼藤は気持ちよさそうに吐息を吐き、脈打つナニを上津の奥深くに突き込んだ。
「ん、んあ、たまらねー、ああっ、あふっ」
上津は体をピクピクさせて鬼藤の唇を吸い、放たれる体液を後孔で呑み干した。
……………
鬼藤はそれから薬を使うのをやめ、上津を自分専用の肉奴隷にしていた。
拘束した上津を痛めつけるのは、当たり前に簡単な事だ。
好き放題、今までの雪辱を晴らす事ができる。
だが、鬼藤は違うやり方で仕返しをする事にした。
「ふー、ふー、うう、こんな、外せ!」
上津は手枷足枷をつけられた状態で後孔にはバイブ、ナニにはオナホ、乳首にも乳首用ローターをつけられている。
キメセクで慣らされた体は敏感に反応し、上津は横向きに床に転がって襲いかかる快楽に苦しんだ。
床は変態プレイを想定して防水仕様になっている。
表面は大理石のように硬い。
ひんやりとした冷たい床の上で、上津は息を荒らげて冷や汗をかいて藻掻く。
「上津、楽になりたきゃ俺の下につけ、補佐にしてやる」
鬼藤は快楽責めで上津を自分のモノにしようとしていた。
「だ、誰が……」
だが、薬のない状態だと、上津がすんなり従うわけがなかった。
「ったく、キメセクん時はあんなに可愛いのによ」
鬼藤はキメセクで淫乱化させてやろうかと思ったが、それを我慢してローターとオナホのスイッチを最強にする。
「うあっ! あ”あ”あ”ーっ!」
上津は身体を硬直させて叫び、オナホの中で果てていた。
「な、すげー効くだろ? おめぇの体はもう元には戻らねー、じゃあよ、補佐の話は抜きにして、俺に抱いてくれと頼め、そしたら止めてやる」
鬼藤は組に取り込むより先に、まず自分に従わせたかった。
「あ、がっ……、い、嫌だっ……!」
上津は身体を震わせてのたうち回っているが、そんな事は口が裂けても言えるわけがない。
「ふーん、だったらしばらくそのまんまでいな、俺はちょいと出てくる、たっぷり楽しみな」
鬼藤はこの後用があって、2時間程屋敷を空ける。
上津をそのままにして監禁部屋を出て行った。
「うう”、ああーっ!」
取り付けられた玩具が、上津に強い刺激を与えてくる。
上津は呻き、叫び、ろくに身動きできない状態で床を転げ回った。
体はメスイキした状態を保ち、腹の中から湧き出す疼きが止まらず、挟まれた乳首がカチカチに勃ってジンジンするような快感を与えてくる。
萎えた竿はオナホに囚われ、腰が砕けそうな感覚に襲われる。
上津にとっては、殴る蹴るされるよりも辛かった。
2時間の間、部屋には誰も来ない。
鬼藤が誰も入るなと禁じていたからだ。
上津はひたすら足掻き、果てしなく続く快楽に苦しみ、やがて意識が朦朧とし始めた。
あまりにも強い快楽が続いた事で、キメセクをした時のような酩酊状態に陥ったのだ。
鬼藤が部屋に戻って来ると、上津は上半身を床に預け、尻を上げた格好でぼんやりと鬼藤を見た。
「あ、あう、ハァハァ……」
「こいつは……逝っちまった目をしてるな、上津、もう言えるよな、抱いてくれと言え」
鬼藤は上津のそばにしゃがみ込み、上津の顎をグイッと掴んで言った。
「もう……いいだろ、外して……くれ」
上津は鬼藤の卑劣なやり方に憤っていたが、2時間も嬲られた身体は鬼藤を欲しがっていた。
けれど、やっぱり抱いてくれとは言わなかった。
「頑固な奴だな、おら!」
鬼藤はそうくると思っていたが、苛立って噛み付くようなキスをした。
「う、んんっ!」
上津は乱暴なキスに感じてしまい、体の力が抜けていった。
「はあ、たまんねー、勃っちまったぜ」
鬼藤は膝をついてジッパーを下げ、わざと上津の目の前にナニを晒す。
上津はそれを見て後孔がキュンと疼き、溜まりに溜まった肉欲が噴き出してきた。
「ハァハァ、くっ……、言ったら取ってくれるか?」
肉欲が憎しみを超えてしまい、上津は鬼藤を見上げて聞いた。
「あたりめぇだ、とらなきゃヤレねーじゃねーか」
鬼藤は内心『上手くいった』とほくそ笑んでいたが、なんでもないふりをして答える。
「ムカつくが……、抱いてくれ」
上津はとうとう自分から言ってしまった。
「おお、わかった、じゃ取ってやる」
鬼藤は上津が自分から言った事に昂っていたが、あくまでも表面上はクールに振る舞い、無表情に玩具を外していく。
「手枷足枷も取ってくれ、暴れたりしねぇよ、こんな弱っちまったらお前を倒す事も出来ねー、暴れても意味ねーからな」
上津はついでに頼んだが、事実、上津は監禁当初と比べたら相当やつれている。
毎日陵辱され、薬も打たれた。
身動きできない状態で2ヶ月も監禁されていれば、筋肉や体力が落ちて当然だ。
「そりゃそうだな、よくわかってるじゃねーか、じゃ自由にしてやるからよ、ベッドでヤルぜ」
鬼藤は上津の変わり果てた姿を見て納得し、手枷足枷も外していった。
しかし、上津は立ち上がる力もない位疲労しきっている。
「そら、肩につかまれ」
鬼藤は上津の片腕を自分の肩にかけてベッドに連れて行った。
上津がベッドにドサッと身体を横たえると、鬼藤はスーツを脱いで全裸になり、股間を奮い立たせて上津にかぶさる。
監禁当初より大きくなった乳首が目にとまったので、むさぼりつくようにしゃぶったら、上津はジンジンくる刺激に声が漏れた。
「は……ああっ!」
こんなのは本当の自分じゃないと思いながら、顔を赤らめて背中を反らす。
「こんなに感じてんだ、もう観念して俺につけ」
鬼藤は感度が増した上津に興奮し、上津のナニに自分のナニを擦り合わせて言った。
「それは……出来ねー」
しかし、上津は頷く事はしなかった。
上津は監禁された当初こそ西和会や鬼藤に怒りを覚えていたが、今は裏切り者の真庭に憤りを覚えるようになっていた。
こうなったのは全て奴のせいだ。
奴を始末しなけりゃ気がおさまらないが、ここから出ない限りどうしようもない。
「こいつ、ったく……」
鬼藤は補佐の真庭が裏切り者だという事を知らなかった。
単に酔っ払って油断した上津を拉致ったと思っている。
頑固な奴だと呆れながら、ガチガチのナニにローションをまぶし、上津の中にぐぐーっと押し入れた。
「んあぁーっ!」
上津は欲しかったモノに貫かれ、身体をそらして声をあげる。
「お~、トロマンじゃねーか、こいつはいい、2時間も焦らしたからな」
鬼藤は上津を抱いて熱く絡みつく粘膜を突き上げた。
「ハァハァ、俺は……お前に惚れたわけじゃねぇ……からな、あっ、あっ」
上津は感じてしまう自分を抑えられず、勘違いされるのが嫌で口走った。
「ナニをぎゅうぎゅう締め付けといて、まだそんな事を言うのか? 乳首だってよ、最初よりデカくなっちまってら」
鬼藤は必死に抗おうとする上津を追い詰める。
肥大化した突起を指先で転がしながら、腰を動かしていく。
「は、あうっ、あぁっ!」
上津はせめてもの抵抗で顔を背けて声をあげた。
「ぐちゃぐちゃに掻き混ぜてやる」
そんな上津を鬼藤は更に追い立て、わざと激しくナニを突き立てる。
「ひっ! あ、あ、あ、鬼藤……激しっ、もっとゆっくり……」
上津は強烈な快感に襲われ、頭がクラクラして目がチカチカし、堪らず鬼藤に頼んだ。
「この程度でヘタレんじゃねー、喧嘩じゃ負けばっかしだったが、セックスは俺の勝ちだな」
鬼藤は動きを止めると、真上から得意げな顔で上津に言った。
「チクショー……腹立っ……ハァハァ」
上津は監禁生活で無理矢理淫らな行為を強要され、そのせいでこんな淫らな体になったのだ。
勝ち誇った顔をされてムカついた。
「ほお、まだ言うか、オラオラ!」
鬼藤は腕を立てて勢いよくガン掘りして攻め立てる。
「ぐっ! あ”っ、あ”あ”ーっ!」
前立腺を突かれたらひとたまりもない。
上津は突かれた拍子にピュッとイッてしまった。
「トコロテンしてんぞ、あぁ? こらぁ、素直に気持ちいいって言え、俺を抱きしめろ」
鬼藤はここぞとばかりに言ったが、上津は紅潮した顔でそっぽを向いた。
「ハァハァ、じ、冗談……言う……な」
好きでやってるんじゃない。
鬼藤にヤラれたせいでヤラなきゃ我慢できない体になった。
だから、奴の背中なんか抱いてやらねぇ。
上津はシーツを握り締めて鬼藤の突き上げを受け止めた。
「まぁいい、時間はいくらでもある、じっくりやろうぜ、なあ上津」
鬼藤は上津がじわじわと堕ちていくのを感じ、これなら自分のモノになるのも時間の問題だと、そう思ってニヤリと笑い、ドスンと奥を突き上げて欲望を解き放った。
「あっ、うっ、ハァハァ、くっ、はあっ!」
上津はユサユサと揺れ動きながら、流れ込む体液を気持ちよく感じていたが、『心まで取られてたまるか』と、必死にそう思って喘ぎ声を上げていた。
……………
上津と鬼藤の関係は、徐々に奇妙な方向へ傾いていったが、当の本人達は自分達の変化に気づいてなかった。
西和会の連中は若頭不在の今、黒龍会を潰すチャンスだと考えていたが、どう見ても鬼藤は上津を気に入っているように見える。
西和会の幹部は鬼藤の行動に不満を抱き、鬼藤に上津の処分について聞いた。
すると、鬼藤は上津を西和会に取り込んで、自分の補佐にするつもりだと言う。
補佐は既にいるが、別に複数いても構わない。
幹部連中は賛同出来るわけがなかったが、若頭の鬼藤がそうすると言うなら、それに対して異を唱えるような、勇気のある者はいなかった。
その一方で、上津は敢えて鬼藤になびくふりをして脱走しようと考え、その機会を虎視眈々とうかがっていた。
上津は裏切り者の真庭を許せなかった。
自分を裏切る位だ。
やがては親父すら裏切って自分がトップに立つつもりかもしれない。
真庭は自分が西和会に殺られると思っているだろう。
もしくは『もう始末された』とでも吹聴している可能性もある。
このままただでは済まさない。
自らの手できっちりカタをつけてやると、心中で復讐する事を誓っていた。
上津は監禁部屋から出して貰う事は出来なかったが、鬼藤になびくようになって、手枷足枷は外されている。
唯一、鬼藤の下につく事だけは頑なに拒んでいたが、鬼藤に抱かれる事は許容していた。
もちろん、本来なら意に反する事だが、散々捌け口にされて堕落した身体は別物だった。
鬼藤もある意味それは同じで、本当はもっと痛めつけるつもりでいた。
だが上津を抱くうちに、その淫らな姿に昂り、自分の下で苦悶する上津を可愛くさえ思うようになった。
どのみち、この監禁部屋から逃れる事はできない。
毎日繰り返し抱く事で、上津を自分に服従させようとしていた。
今日も昼下がりにフラリと監禁部屋にやって来た。
鬼藤はベッドに座る上津のそばへ歩いて行くと、隣に座ってグイッと抱き寄せる。
上津は今や服も与えられ、開襟シャツとズボンを着用しているが、鬼藤は開襟シャツのボタンを外しながら、上津の耳元で囁く。
「俺が欲しいだろ?」
ボタンを外し終えたら、シャツをはだいてバサッと脱がせた。
「馬鹿な……」
上津はなびくふりをするとは言っても、それは全面的にひれ伏すという意味ではなく、あくまでも鬼藤とセックスする時だけだ。
「誤魔化しても駄目だ、乳首おっ勃ててよ、感じてんだろ?」
鬼藤は上津をベッドに押し倒し、立ち上がる胸の突起を舐める。
「そんな事……ねー」
上津はジリジリとした感覚に身体が熱くなり始めたが、認めようとはしない。
「てめぇは天邪鬼だな」
鬼藤は乳首をカリッと噛んだ。
「あ、うっ……!」
上津は痛みに顔を歪めたが、鬼藤は上津の股間を撫で回して言った。
「おい、こりゃどういう事だ?」
そこは硬く張り詰めていて、鬼藤は布ごしに竿をギュッと握る。
「違っ……、ハァ」
上津はナニを握られて顔が火照るのを感じた。
「はあ、上津……たまんねーよ、脱げ、全部晒せ」
鬼藤は堪らなくなって上津のズボンとパンツを乱暴に剥ぎ取ると、全裸になった上津をじっくりと舐めるように見る。
「ば、馬鹿……見んな」
上津は既に身体の隅々まで見られているが、改めて見られたら何故か照れ臭くなった。
「へっ、今更だろ」
鬼藤は顔を背ける上津を見てSっ気に火がついた。
「わっ、やめろ」
ガバッと上津の足を開き、両足を抱えて後孔を見る。
上津は足をバタつかせて嫌がったが、とっくにMっ気を開花させられている。
羞恥に塗れた格好をさせられて穴がひくついた。
「おいおい、ひくついてっぞ」
上津の身体は淫らな事をされるのを期待している。
鬼藤は卑猥な姿を見て股間をフル勃起させていた。
「クソ……、悪趣味な野郎だぜ、男のケツ穴見てそんなに楽しいか」
上津は呆れ顔で言ったが、その顔は上気して赤らんでいる。
「ちょい待ちな、俺も脱ぐわ、おめぇがエロいからよ、俺もナニがギンギンだ」
鬼藤は手早くスーツを脱ぎ捨てて全裸になっていく。
上津はおとなしく待つ自分は馬鹿だと思ったが、身体の疼きは増すばかりだった。
「っ……」
悔しさを抱きながら、鬼藤に貫かれるのを待つ自分がいた。
「前置きは無しだ、生意気なおめぇをヒィヒィ言わせてやる、ナニをぶっ込むぞ」
鬼藤はそこらに置いてあるローションを手に取ると、自分の竿と上津のアナルに塗りたくった。
それから上津の股に腰を入れてナニの先端を後孔に近づける。
上津はまな板の鯉と化しているが、アナルにナニが当たってくると、やたらと興奮するのだった。
「トコロテンさせてやる、さ、欲しかったブツを受け取りな」
鬼藤はググッと竿を押し入れた。
「んうーっ! あっ……、ああっ!」
上津は腸壁を抉られる感触に仰け反って感じていた。
「ほーら、感じまくりじゃねーか、なあ、もっと声を出せ、俺のは最高だろ?」
鬼藤は上津の中を容赦なく突き上げ、絡みつく肉壁に目を細めながら、上津の顔に顔を近づけて言った。
「ふあっ! あっ、あっ、あっ!」
上津は連打されて答えるどころではなく、ズコズコと往復する竿に身体中が痺れていた。
「お前ん中、すげー気持ちいいぜ、上津、おめぇ泥酔して俺らにあっさり捕まったが、ひょっとして……仲間内に裏切り者がいたんじゃねーのか? お前があんな簡単にやられたって事は……薬を盛られた、な、そうだろ?」
鬼藤は突き上げる度に喘ぐ上津を見て、その羞恥に塗れた姿に興奮していたが、上津にのめり込むうちに……事の真相に気づいていた。
鬼藤は上津が事務所から出てきて、補佐の真庭と別れた後に襲撃したのだが、腕っぷしの強い上津が、たいした反撃も出来ずにあっさり捕まった。
今考えたら明らかにおかしい。
それに、鬼藤は始め上津を自分の組に取り込もうとしていたが、その気持ちも薄らいでいた。
上津が自分に抱かれる事を許容した事で、組云々よりも、私情が上回っていたからだ。
「お前には……か……関係ねー事……だ、ハァハァ」
鬼藤が何を思っていようが、上津はうちわの揉め事を鬼藤に話すつもりはなかった。
突かれて喘ぎながら途切れ途切れに答える。
「別にいいじゃねーか、俺らはこんな事をする関係なんだぜ、めちゃくちゃ愛し合ってるじゃねーか、はははっ! つーか、お前の身体は……もう俺無しじゃ我慢できねーだろ? な、話しちまえよ」
鬼藤は冗談交じりに言って腰を揺らし、本当なのか確かめようとした。
「た、確かに……、俺はてめぇらに掘られて……こんなに……感じるようになった、けどよ……俺は誰でもいい、お前じゃなくても……な」
けれど、上津は質問には答えず、単に肉欲だけの関係だと言い切った。
「ったく……、どこまでひねくれてんだ、だったらよ、わからせてやる、ナニを叩き込んでやるからな!」
鬼藤は上津が答えない事に苛立ったが、心から自分に屈しない事にも腹を立てた。
腕を立ててパンパンパンパン!と激しく腰を打ち付ける。
「うあ”っ! ちょっ……待っ、あ”あ”っ!」
上津は一瞬目の前が真っ白になり、激しく突かれて股間の竿が左右に揺れ動いた。
「ハアハア、出すぜ、俺のザーメンを身体ん中に擦り込んでやる」
鬼藤はガシッと上津を抱き締めると、怒張した肉槍をこん限り奥に突き込んで射精した。
「うわ……あっ、あ”あ”ーっ!」
びゅーっとあたたかな体液が飛び散り、上津は鬼藤と共に自分も極みに達してしまう。
「おっ、おおー、そら、どんどん入ってくぜ、ふっ、まんまとトコロテンしやがって、上津……クソムカつくが、俺はてめぇに惚れちまったかもな」
鬼藤は気持ちよく射精し、上津の耳たぶをしゃぶりながら言った。
「あっ……あぁ……、そんな……事……言うな」
上津は快楽に溺れながら息を乱して言い返し、『鬼藤は相容れない相手なんだ』と自分自身に言い聞かせていた。
「ばーか、本気にするなよ、つか、つー事は、やっぱおめぇ、俺に惚れてんだろ?」
鬼藤は出した体液を上津の体内に擦り込むように竿を往復させ、ひょっとして……と微かな期待を抱きながら聞いてみた。
「ぶさけ……んな、ハァハァ、ただヤリてぇ……だけだ」
上津は脈打つナニに喘ぎながらキッパリと言う。
「ちっ、抱かれてよがってんのに、欲しいのは体だけっつーのか? ったく、まぁーいい、こうやっておめぇを抱いてんのは合意の上だからな、それだけでも俺は満足だ、なんせお前のケツは具合がいい、なあ上津……互いに気持ちいいのは確かだ、ヤリてぇだけでも構わねー、キスしようぜ」
鬼藤は抱けば抱く程、上津に惹かれていく自分を止められなかった。
上津の唇を吸い、舌を挿し入れて上津の舌を追いかける。
「んっ、あう、あふっ……」
息が詰まるような激しいキスだ。
上津は身体の芯がじわっと熱くなり、耐えきれなくなってうっかり鬼藤の背中を抱いていた。
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