お付き合いして下さい

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お付き合いして下さい

 そして僕は奥に通されて座布団の上へと座る。 そして北山その僕の向かえへと座った。  北山は僕の方に視線を向けて、 「朝、僕が言っていた事は本当の事ですからね」  と急に本題に入って話始める。  しかし北山の方が行動が早い気がするのは気のせいであろうか。 「うん、僕の方もそれは分かっているから大丈夫だよ」  とりあえず僕は北山に合わせて話始める。 「なら、御手洗さんはその男同士で付き合うっていうのには抵抗が無いっていう事でいいんですね?」 「勿論! 寧ろ、僕は女性には興味がないしね」  そう淡々と答える僕。 いやもう先にもう告白されてしまっているのだから、そういったぶっちゃけトークも平気だったからであろう。 「フフ……それなら、良かったですよ」  そう何でか僕の事を見つめながら、テーブルに両肘を付いて微笑んでいる北山。   本当にこのままでは北山に主導権を奪われてしまう程だ。  しかしいつもの僕なら付き合ったら直ぐにでもガツガツと行ける筈なのに、今回は本当に完全に北山にリードされてしまっている。 なんというのか、こう何とも不思議な感覚が北山にはあるようで、マジで僕がリード出来ないのは何でなのであろうか。  そう僕は北山の前にある見えない壁というのか盾みたいなのに押されてしまって本当にリードすることが出来ないでいた。  それに年だって俺の方が上でもあるし、がたいだって俺の方が断然上なのに、全くもって北山の前ではリードすることが出来ないでいる。  僕が思っていると、気付いた時には北山が僕の目の前にまで来ていて、急に僕の上半身は天井の方へと向かせられてしまっていた。 そして急に唇に生温かい感触を感じる。  もしかしてこれは僕は北山に押し倒されていて、キスをされたという事だろうか。  未だに状況を把握することが出来ないでいる俺。 これは北山が襲い系ということなのであろうか。 それとももしかして僕が襲われているのか。 「御手洗さんって男性経験あるんですか?」 「え? あ、まぁ……一応は……」  未だに僕は状況を把握出来ないままではあるのだが、北山からの質問に淡々と答える。   そう基本的には僕は今までタチだったのだから、そういった質問っていうのは別に恥ずかしくはないからであろう。 「じゃあ、どっちだったんですか?」 「え? 僕はタチの方だけど……」 「実は僕もタチの方なんですよねぇ」  その北山の言葉に僕の頭はパニック状態なのかもしれない。  僕からしてみたら北山を最初見た時からずっと襲いたいと思っていた筈なのに、実際は北山はタチだということだ。 だとすると今まで北山の発言の謎が全て解けてしまったようにも思える。 それに自分が寧ろ、リード出来なかったのも頷けてしまうのかもしれない。  その言葉に僕は北山の事を見つめてしまっていた。  本当にパニック状態だ。  人間って、そういうもんだろう。 自分が思った通りにいかないと訳がわからなくなってくる。  だがその北山の通りなら、今のこの僕の状態が頷ける。 完全に北山に先に押し倒されてしまっているのは自分の方なのだから。 「……って、事は? もしかして、この状況から察するに、これから、僕は北山さんと付き合うってことは下になるって事ですか?」 「はい! 勿論ですよ! もしかして、僕の見た目に騙されちゃいました?」
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