服脱いでもいい?

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服脱いでもいい?

「……え? あー……」  と寧ろ僕の方が視線を外してそう答えてしまっていた。  そう何だか急に僕の方が完全に騙されたっていう感じだったからなのかもしれない。 「じゃあ、それでも、御手洗さんは僕と付き合ってくれます?」 「え? あ……」  そう言われて、流石の僕も直ぐに断る事も出来ず頷くしかない状況になってしまうのだ。 だってそうだろう。 自分が好きだと思ったのに、自分が考えていたのとは違うっていうだけで付き合うことが出来ないのはおかしいのだから。 本気に好きになったのなら、どんなことが起ころうとも好きでいるのが当たり前のことだろう。 「じゃあ、本当に御手洗さんは僕の事が好きって事でいいですね?」 「え? あ、うん。 僕は本当に北山さんの事が好きになったんだからね」  勿論、そこは本気だ。 だから、真剣な目で北山を見上げる。 「じゃあ、御手洗さんはネコでもいいって事ですよね?」 「え? あ、うん……?」  そうだ、そこはさっき自分的には決めたというか、僕から北山の事を好きになったのだから断るのは失礼に当たるだろう。 なら答えは一つしかない。 「これからは、御手洗さんはネコで、僕がタチでって事でお付き合いしていただけますか?」  そこも、もう、うんとしか答えるしかないところだ。  だからなのか、僕の方は頭を頷かせる。  僕達というのは、そこから完全に付き合い始めたのだから。  そこから恋人同士になった僕達っていうのは、唇を重ねる。  僕の方は今までタチの人間だったのだから、相手からキスをしてもらうのは変な感じがしているのだけど、相手にリードしてもらうのも悪くはないような気がする。  いや自分もリードする側なのだから、舌を絡められれば、こっちからも絡め返す。  すると片方だけで舌を絡めるよりももっと気持ち良く感じるのは気のせいであろうか。  寧ろ自分の方がうっとりとしてしまう程だ。  何度も何度も舌を絡め、その度に唾液までもどちらのなのか分からないくらいになってもそれを必死に飲み込む僕達。  もう自分がネコの立場になったのなら、それはそれで楽しもうと僕は思ったのか、北山の行動に合わせて自分も行動を始める。 「御手洗さん……服脱いでっていい?」  可愛い声でそう言われると何でか自分の方が頭が痺れて来るような感じがあるのは気のせいであろうか。  だからなのかそれに答えるかのように、僕の方は、 「ああ……いい……」  と自分ではないような色っぽい声で答えるのだ。
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