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マンションへご案内
その北山の言葉に、いつもの自分に戻ってしまう。
「では、本当に僕が住んでいるマンションでいいんですよね？」
「はい！ それに、僕が言ったような場所、近くにあるんでしょう？」
「はい。 まぁ……ちゃんとありますよ」
「なら、そこでいいですよ」
「でも、お家賃の方はそこそこ高いのですが……そこのところは大丈夫ですかね？」
「大丈夫ですよ。 こう見えても僕は来月から社会人ですから」
北山の言葉に、思わず『へ？』と言いそうになってしまった。 お客様の前でそんな言葉を出すわけにはいかない。 下手をすればクレームになってしまうだろう。
とりあえず僕はその言葉を飲み込んで、北山の容姿を再び確認する。
しかし何度確認しても見た目はかなり童顔で、本当に高校生くらいにしか見えない。 頑張っても大学生くらいだろう。
「しかも、来月からは新社会人としてスタートするのですから……」
再び口にする北山。
とりあえずもうすぐ社会人になるのだから今回家を探しに来た。 そう思うとやはり自然なことなのであろう。
後は契約書とか書類や住民票とかを見れば、本当にもう社会人になるっていうのが証明されるだろう。
そこは一人納得すると、とりあえず、
「では、そのマンションの方に案内しましょうか？」
「はい！ では、宜しくお願いします」
そこはそう言って僕は北山をそのマンションへと案内することになった。
店の車を出して、僕が車を運転する。
今の店から車で五分程の所に僕が住んでいるマンションがある。
店は駅前で、少し走って行くとちょっとした住宅街がある。 その中に僕が住んでいるマンションがあった。
そのマンションは十階位まであって、僕はそのマンションの三階部分に住んでいる。
とりあえず僕は北山をマンションへとひと通り案内すると、
「やっぱり、思ったような感じですよねぇ。 マンションだから綺麗だし、スーパーも近くにあるし！」
僕が案内したのはマンションの三階部分だ。 だから若干ではあるのだけど見晴らしも良かった。
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