第六章 けたたましく鳴るインターホンの相手はゆかりだった

6/11
前へ
/87ページ
次へ
あやかとの結婚に向けて動きはじめていたのだ。 「あやか、ここにラック置いたら便利だと思うんだけどどお?」 「そうですね、いいと思います」 「あやかの部屋は、何か家具買う」 「大丈夫です、引っ越す時、荷物少ない方が楽ですから」 「あやかは引越しさせないよ、ずっと俺の側にいてくれないと困るよ」 思いもよらない潤一郎の言葉に、あやかの頬は緩んだ。 (でも、ハウスキーパーとしてだよね) 二人で色々な店を回った。 途中で食事をして、まるでデートしてるみたいとあやかはウキウキしていた。 車で出掛けて、あやかは帰り助手席に座るように促された。 「あやか、助手席に座って」 「えっ、でも……」 「隣にいないと話が話出来ないだろう、バックミラー越しだと俺が運転しづらい」 「ここはゆかりさんの席ですよね」 「ゆかりはこの車に乗せたことはないよ、この席はあやかの席だ」 潤一郎はにっこり微笑んだ。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

183人が本棚に入れています
本棚に追加