第六章 けたたましく鳴るインターホンの相手はゆかりだった

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あやかは戸惑っていた。 (潤一郎さん、なんでそんなこと言うんですか、私、ドンドンあなたを好きになっちゃいます) 帰りの車の中で、あやかは助手席に座った。 潤一郎とのおしゃべりは楽しい。 あやかはじっと潤一郎を見つめてしまった。 「あやか、そんなにじっと見つめられると恥ずかしいよ」 「あっ、すみません」 「謝ることはないよ」 (あやか、俺、理性保つのに限界かも……) 潤一郎はあやかとの結婚に向けて、二度と同じ過ちは繰り返さないと心に誓った。 あやかは自分の立場を弁えていれば、潤一郎と一緒にいられると思い、これ以上は 潤一郎を好きって気持ちを封印すると決めた。 ある日、潤一郎から連絡が入った。 「あやか、急で悪いんだけど、これから会社の後輩連れて行くから、何か食べさせてやってくれないか」 「わかりました、でも会社の人はまずくないですか」 「あやかと初対面の奴らばかりだから気にすることないよ」
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