第六章 けたたましく鳴るインターホンの相手はゆかりだった

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「連れていらっしゃる後輩の方はお一人ですか」 「いや、十人くらい」 「わかりました」 あやかは早速、支度をはじめた。 (潤一郎さんの後輩って言ったら、若い人だよね) そのうち、インターホンが鳴って潤一郎が後輩たちを連れて帰ってきた。 「お邪魔します」 「さあ、どうぞ」 後輩の中の一人、天堂悠真二十二歳があやかに挨拶をした。 「天堂悠真と申します、今日は急にお邪魔してすみません」 「いいえ、お口に合うかわからないですけど……」 そこに潤一郎が割って入った。 「ほら、座れ」 潤一郎は天堂をソファに座るように促した。 「あやかの料理は絶品だからな、お前ら、驚くなよ」 潤一郎は自慢げに言葉を発した。 次々に料理が運び込まれた。 潤一郎はあやかに近づいて耳元で囁いた。 「あやか、すごいな、短時間でこんなに準備するなんて」 「大したものではないですよ、お酒は何を出しますか」
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