空からマイクが降ってきた

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 妹が持ってきた箒とちりとりで掃除終了。  ふう。これで部屋が少しは綺麗になったぜ。   「そういえば、パパから一周間後のイカ釣り船での旅で、釣り具の見積もりを頼まれていたっけ」 「ああ、私も! お兄ちゃん用のいざという時の救命救急道具!!」 「……はい?」 「パパがお兄ちゃんが海に落ちた時。心肺停止したら乾電池で動く心臓マッサージ器があると便利だって、だから見て来いだって」 「パ! パパーーーン!!」  妹と一階へと降りていくと、玄関にママがいた。 「匡助(きょうすけ)共子(きょうこ)。ついでに魚も買ってきて」 「はい!」 「はーい!」  東京世田谷区の一戸建ての家から、外へ出た。  申し分程度の常緑樹の並木が立っている遊歩道を、妹と歩いて、商店街へ向かう。が、途中。空からマイクが降ってきた。 「うがっ!」 「はりゃ?」  ボンっと鈍い音がしたかと思うと、気を失う寸前。頭を抑えるよりも。まず、なんで空からマイクが? という当然の疑問の方が早かった。       
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