空からマイクが降ってきた

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 佐江島 萌理さんがリーダーの4人組アイドルグループの名前は、STARZM・4(スターゼモフォー)で、星で絶対萌え死の意味なんだそうだ。  今や、国民的アイドルグループで、日本で知らない人は相当な田舎か、山の中か海の中で暮らしているはず決定だった。  正直、嬉しい。  佐江島さんと一緒に、これから海上浮上都市アトランティスへ行くのだから。  そこでは今朝、テレビでやっていた。全世界最大級のフェス T.W.A.F(ザ・ワールド・アイドル・フェスティバル)2030が開催している。  テレビでは、ほとんど観ていなかったが、かなり大きなフェスなのだ。  そして、なんで一周間後にイカ釣り船に乗るはずの俺が、こんなところにいるのかという疑問は今でも残ったままだった。 「それにしても、海野くん。妹さんも可愛いわね」 「へ? そうか?」 「へへーん!! ニコニコ」 「あら? ほんと笑顔も可愛いわね!」  妹がニッコリ笑って、ガラステーブルに映る自分の顔を覗いた。 「クスクス……あ、それはそうと、海野くん。ありがとね。一緒にアトランティスへ行ってくれて」 「へ? あ、そうだ! 記憶が蘇ってきたぞ! あんまり色々あるんで、忘れてたーーー! 寝坊して遅刻していた佐江島さんにのこのこついていったら、そのまま飛空船に乗ってしまい。船が突然発進してしまったんだった!!」
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