10人が本棚に入れています
本棚に追加
リディア
「━━別れよう、リディア。
元々、この結婚は間違いだった。なかったことにしよう……。お互いの、いや、私達三人のために。
私の署名はもう記入してある。
リディア、後は君の署名だけだ。
署名を終えたら、私が責任を持って今日中に離縁届を提出してくる。早い方がいいだろう?」
「━━間違い?」
「あぁ、そうだ」
開口一番、夫であるフレデリックから離縁宣言をされる。あぁ……先程聞いた噂は事実なのね。どうして、今頃になってそんなことを言うの。 こんなにも、私はあなたのことが好きなのに……
「フレディ、本当に間違いだと思っているの?」
「リディア、私のことは、今後はフレデリックと呼んだほうがいい。アーサーが勘違いするといけない……私達が、愛し合っていると。
私達は、アーサーを裏切ってはいないのだから。
勿論きちんと、私の口からもアーサーには説明する。リディア、君は心配しなくてもいい。
私達は白い結婚なのだから。アーサーも理解してくれる。」
「アーサーが?」
「あぁ、リディアも新聞をみただろう?
アーサーが帰ってくる。7年だ……
最初のコメントを投稿しよう!