リディア

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リディア

「━━別れよう、リディア。 元々、この結婚は間違いだった。なかったことにしよう……。お互いの、いや、私達三人のために。 私の署名はもう記入してある。 リディア、後は君の署名だけだ。  署名を終えたら、私が責任を持って今日中に離縁届を提出してくる。早い方がいいだろう?」 「━━間違い?」 「あぁ、そうだ」 開口一番、夫であるフレデリックから離縁宣言をされる。あぁ……先程聞いた噂は事実なのね。どうして、今頃になってそんなことを言うの。 こんなにも、私はあなたのことが好きなのに…… 「フレディ、本当に間違いだと思っているの?」 「リディア、私のことは、今後はフレデリックと呼んだほうがいい。アーサーが勘違いするといけない……私達が、愛し合っていると。 私達は、アーサーを裏切ってはいないのだから。 勿論きちんと、私の口からもアーサーには説明する。リディア、君は心配しなくてもいい。 私達は白い結婚なのだから。アーサーも理解してくれる。」 「アーサーが?」 「あぁ、リディアも新聞をみただろう? アーサーが帰ってくる。7年だ……
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