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ガチャ。マンションのドアを開ける。何の反応もないが奥に光が漏れていることから誰かがいるのは分かる。無論それは妻の佳苗だ。俺はいつものように黙って部屋に入ると慣れた手つきで着替え、シャワーを浴びる。身体を清め終わるとパジャマ代わりのジャージを着て、冷蔵庫を開ける。
「和樹」
そう書かれたメモ用紙を取り外すと冷えた料理をレンジに突っ込む。時間が経って味気ない食事を済ますと寝室へ直行する。そこには佳苗が寝っ転がりながらスマホを弄っている。何とかというゲームにハマっているらしく、その最中は一言も口をきかない。それを横目に目を閉じる。
これが俺達夫婦の日常だった。
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