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そして夫は銀座の高級クラブで働いている二十一歳の若妻を「賞味期限切れのなんの魅力もないオバサン」呼ばわり。
その後半年もの間、「今日は無理だけど、明日性行為する」と毎日猿芝居で騙し続けた。
挙げ句の果てに逆切れし、貞淑な妻を淫乱扱いして罵倒したのである。
私は深く傷つけられたが、それでもなんとか気を取り直し、夫婦の温かい触れ合いを保とうと、朝晩のキスとハグを励行していた。
ところが……。
「俺は情けない!」
「何が?」
「お前はわがままだ!」
「私がいつどんなわがままを?」
「毎日キスだのハグだのわがままだ!」
「は !?」
「だからこれからはもっと厳しくする!」
「え?」
「今後はキスもハグも禁止!」
「?! 」
どんなに傷つけられても寛大に許し誠実な努力を続けてきた私を、夫は「わがままだ」と非難する。
そして「情けない」と軽蔑して叱責し、キスもハグも全面禁止したのだ。
何をどうしたって、私が悪く言われる。どんなに寛大に接しても、どんなに誠実に努力しても、どんなに濃やかに配慮しても。
いったい私は、どうしたら良いの……。私は混乱し、途方に暮れた。
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