障害者大量殺人犯U

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障害者大量殺人犯U

 離婚後、障害者大量殺人のU容疑者が逮捕されパトカーに載せられている映像を初めて見たとき、私は彼がNPDだと直観した。  たくさんの報道カメラに囲まれて注目を浴びて嬉しくて嬉しくてたまらないという笑顔だった。  注目を浴びて有頂天になっている時の、そして『自分が褒められた』と勘違いしていい気になっている時の元夫と同じ表情だったのでピンときたのだ。  自分が罪を犯したにもかかわらず、まるでその事実を理解できていない(=自分を客観視できていない)のも元夫と同じだからだ。  その後、U容疑者が事件を起こす前に衆議院議長に渡していた手紙の内容が報道された。それを見た私は確信した。 ――この男はNPDだ――  その手紙の内容は、「無罪と五億円の経済援助と『戸籍名と本籍地の変更許可』の確約」を要求するものだった。
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