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夫は恥知らずな大嘘つきで、恥知らずな約束破りだった。やむにやまれずついた嘘ではない。
最初から騙す気満々で騙していたのだ。悪質な大嘘つきである。
しかも常習犯で、その上『自分は悪くない』と思っているからこそ逆切れしたのだ。
もちろん謝罪も反省も改善も一切しない。
私は夫に「今日はするのよね?」と確認しなくなった。
夫は「これ幸い」と言わんばかりに、毎晩のうのうと高イビキで眠り続けた。
その後も夫は私を無視し続けたので、ずっとセックスレス状態は続いた。
♢
というよりも、あれは性行為ではなかった。あれは私の体を利用したオナニーに過ぎない。
私は体温のある発声機能付きのダッチワイフだった。しかも事後処理までしてくれるこの上もなく便利なダッチワイフだった。
夫にとって私は、射精して快感を貪るための便利な道具に過ぎなかったのだ。
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