始まりの1年目

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 茜と私、酒井と内野と石井。  女子2人に男子3人…たまたま席が近かっただけの私たち。  入学初日だってのに不思議なくらい意気投合して、それから毎日一緒に過ごしてきた。 「男女間の友情ってホントにあるんだな…」  いつだったか、石井が私たちに向かってそう言った。  私はその意見に激しく同意だったけど、茜は少し寂しそうに笑っていた。  出会いのあの日から半年ちょっと経った今日、茜が『石井と付き合う事になった』と連絡をくれた。速報で。  (はた)から見たら両想いなんだろうなってバレバレだった2人。  グループ内での恋愛の大半(たいはん)はいずれグループの崩壊を招く。多分それを気にして、茜も石井もずっと気持ちを隠していたんだと思う。    それでも言わずにはいられなくなるくらいに想いが溢れ出しちゃったって事だよね…。  明日詳しく聞かせて貰おう。  茜から連絡がきた時、下校中の私の隣にはいつも通り風月(かづき)がいた。 「ねぇ、茜と石井が付き合う事になったんだって」 「ふーん」 「あの2人は絶対くっ付くと思ってたんだよね」 「ふーん」 「……私も彼氏欲しいなぁ」 「じゃあ付き合う?」 「え、あぁ…んー…うん」 …という流れで、親友の茜と同じ日に私にも彼氏ができた。
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