始まりの1年目

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 翔馬が肩に掛けていたスポーツバッグを放り投げて私の横に座り込んだ。 「え?」 「俺もやるー」 「部活だったんでしょ?早く帰りなよ」 「何…俺いたら邪魔?」  翔馬がニヤニヤ笑う。 「邪魔って何が?」 「いや、付き合ってんでしょ?兄貴と」 「え…風月に聞いたの?」 「こないださ、律子とバッタリ会った時あったじゃん」 「…あぁ、うん」 「家帰って兄貴に『律子かわいくなったよな』って言ったらさ『俺のだから手ぇ出すなよ』って」 「…え」  風月、そんな事言ったんだ?  それだけで嬉しくて笑ってしまう。
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