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座り込んだ自分と同じくらいの高さまで山が出来上がったタイミングで携帯が鳴った。
画面には風月の名前が表示されている。
砂まみれの指を叩いてスピーカーをタップした。
『今、家?』
「あ、いや…外だけど」
『何で?』
翔馬がニヤニヤしながら私の口の前に人差し指を立てる。
「律子は今、俺とデート中だから」
『ハァ?』
「ちょっ…何言ってんの⁈」
『意味分かんね…今どこにいる?』
「俺たち今、共同作業中だから邪魔しないでー」
『誰だお前…ざけんなクソ‼︎律子、どこにいるんだよ?』
「ちょ、待って落ち着いて‼︎一緒にいるの翔馬だよ。公園にいる」
『……5分で行く』
電話が切れた。
翔馬はお腹を抱えて笑っている。
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