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メッセージを送ってすぐに「ありがとう、俺も、愛してるよ」と返信が来て、その返信内容に不安を覚えた。
彼女が言いたいのは、それだけではないのだと。
時間を見ると時の流れが長く感じてしまうので、時間を確認せずに待つ。
時折横切る人に目を向けてはがっかりし、ため息をつく。そんな時、背後から「綾」と呼ぶ弘明の声が聞こえた。
振り向くと、微笑む弘明の姿が目に飛び込んできた。
彼は、綾の心を包み込むような温かい笑顔を浮かべている。その笑顔は、彼女の不安を一瞬で消し去り、安心感をもたらした。
彼女は、心の奥に秘めた思いを伝えるために、勇気を振り絞った。
「誕生日、おめでとう。今日は、ハイキングをしよう」
買ってきたケーキと、作ったお弁当を弘明に見せると、弘明は「縦読みに気が付かなかったら、どうするつもりだったんだよ」と呆れたように、怒るのではなく、どこか嬉しそうに言った。
綾は「信じてたから」と告げる。
弘明に喜んでもらうために、弘明が行きたがっていたハイキングに行きたかった。
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