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【第2話】陽キャなメガネ
そんな彼女の見た目は、オーバーサイズ気味の制服で膝より下のスカート丈。
目まで伸びた黒髪ロングに特徴的なそばかすと、太縁なハーフリムの眼鏡。
失礼な言い方だが少し野暮ったい。
そのはきはきとした態度とはアンマッチな、どこか正反対の印象を醸していた。
しかし、その見た目にどこか落ち着きを覚える自分が不思議で、少し小首をかしげるのだった。
「そういえばスマホ持ってる!?」
ハッとしてスカートのポケットをまさぐるが、期待した手触りは感じられない。
「ないみたい……」
「やっぱり!?なんでかウチもなんだよねー」
大仰な項垂れっぷりにこちらが悪いような気すらしてしまう。
「でも大丈夫。きっと帰れるよ!」
彼女の前向きな言葉に触発されて暫くその場で情報を交換したが、結論から言うと日向さんも私と同じ状況だった。
隣県の高校に通う彼女は、陸上部の合同練習で私の通っている高校に来ていたらしい。
しかし、記憶にあるのはそこまでで、気が付いたらこの洞窟のような場所で一人寝ていたとのことだった。
「でもまぁヨルちゃんも居た訳だし、他の人も探してみない?」
いきなり下の名前プラスちゃん付けに驚いたもの、たしかにと頷いて彼女と二人でその部屋を後にしたのだった。
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