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「私、電波のいい場所を探して警察に電話してくる」
「一人で行くのか?」
「うん。朝陽さんは丈司をお願い」
「分かった」
そう言うと恵理はスマホの明かりをつけ、教会の外を走っていった。
朝陽とクレアは地下に入り込み、先ほど恵理が見つけた黒い塊を見つけた。
「これは何だ……?」
「……遠藤くん、ここに何か入っているわ」
クレアは懐中電灯に照らされて光るガラス製のような何かを指さした。
朝陽がそれを拾い上げると、クレアは「聖水だわ」と呟いた。
「聖水……? ジャンさんが言っていたものですよね。どうしてこんなところに」
「……」
クレアは何も答えない。
「クレアさん?」
「——っごめんなさい! 少し頭がぼんやりしてしまったの」
「……体調良くないんですか?」
血の気が引いたクレアの顔を覗き込む。
「いえ、大丈夫よ。久しぶりの悪魔祓いだから、変に緊張してしまって」
そう言うとクレアは蒼白い顔でふんわりと笑った。
聖水を手に入れ、他に役に立つものがないか探していた朝陽とクレアだが、特に他に武器になるようなものは見つからなかった。
ジャンと合流するため、急いで一階に繋がる階段を見つけ出すと、頭上からドカンと大きな音が聞こえた。
「——急ぎましょう、遠藤くん!!」
クレアと朝陽は一階へ繋がる階段を見つけ出し、ジャンと丈司がいる礼拝堂へと向かった。
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