CHAPTER Ⅳ 悪魔祓い

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 ジャンは呪文を唱え、丈司の動きを封じていた。 「『主の怒りは燃え上がり、地は揺れ動く。  山々の(もとい)は震え、揺らぐ。  御怒(みいか)りに煙は噴き上がり  御口(みくち)の火は焼き尽くし、炎となって燃え盛る』  クソッ、ダメか!!」    ジャンは紫色のストーラを翻し、丈司が投げてきた長椅子や講壇を避けた。 ——この邪悪な悪魔を退治できるのは、今日しかない!   朝陽とクレアが来るまで何とか時間を稼いでいたが、力の限界を感じていた。   「ジャンさん、お待たせしました!」 朝陽が、階段の方から顔を出した。 「遠藤くん!」  苦痛に歪んでいたジャンの顔に、少し余裕の表情が生まれる。 「っ丈司!!!」  朝陽は目を見開いた。  丈司の皮膚は赤く爛れ、目は真っ赤に染まり、血の涙を流している。  丈司は朝陽の存在に気づくと、弱々しく手を伸ばした。 「助け、て……。アァ、サ」 「丈司!!!」    朝陽は喉が張り裂けんばかりに名前を呼び、無意識にこう願った。 ——神様、どうか丈司を助けてくれ!!  
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