CHAPTER Ⅳ 悪魔祓い

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『主の怒りは燃え上がり、地は揺れ動く。  山々の(もとい)は震え、揺らぐ』 「くたばりやがれ、サマエル!!」  朝陽がその名を口にした瞬間、血走った丈司の目に別の赤い目が浮かび上がった。 「この山は地獄に通じている。俺は地獄に戻り、王となってこの地に戻ってくるのだ」 「そんなことさせるか! お前はここで封印する!!」  そう叫んだジャンは手に十字架の彫ってある小さな鉄の箱を取り出した。それを見たサマエルは一層強く抵抗した。 『御怒(みいか)りに煙は噴き上がり  御口(みくち)の火は焼き尽くし、炎となって燃え盛る』 「頑張れ、丈司。もうすぐだ……」  そして呪文を唱え終わったあと、丈司の体が赤く光った。 それから口から黒い煙が漏れ出て、鉄の箱に吸い込まれていく。煙がすべて吸い込まれると、ジャンは安堵のため息を吐いた。 「クレア、遠藤くん……。終わったよ」 ——夜明けだ。 三人は山から日が昇るのをぼんやりと眺める。 教会の窓から眩しい朝日が差し込んだ。
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