死神と誰かの記憶

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男へと頷けばオフィスに二人の人物は入ってきた 一人は金髪にパーマをかけた真っ白なスーツに身を包む青年で腰に刀をぶら下げた英国男であり笑顔を向けてきた 「 じゃ、頑張って協力するだけさ 」 「 えぇ……その為の此処だからね 」 『 え…… 』 もう一人の胸がでかく女の金髪にウェーブのかかる美人の人も入ってくれば俺は目を見開いた 二人を知っている、俺を殺し……殺し? 『 え、俺……なんで知ってるんだろ 』 「 俺は御前の過去を少し見てきた。その為に二人は協力した……そいつ等は俺の部下だ 」 『 どう言うこと? 』 男の言葉に視線を戻せば彼は頬杖をついていた手を程き指を組めば口元へと当て俺へと視線を戻した後にぐるっと椅子を回転させ外へと視線を投げる 何故か外は真っ暗で灯りなど無くまるで世界が崩壊したような廃墟が広がっていた 此所の綺麗なオフィスと外が全く不似合いな事に驚きを隠せない事に戸惑えば金髪の男は笑った 「 要するに此所は"迷う"子羊ちゃんの為の探偵事務所さ、依頼があれば動くだけ。君は依頼者……俺等は探偵 」 『 探偵事務所?……俺いつの間にか此処に来てて…… 』 フラフラ歩いてるのは覚えてて何故か此処にやって来ればこの黒髪の男に無実なんだと言った気がする そしたら…… 『 っ……! 』 キスされた事を思い出して顔を染めれば背を向ける男へと睨んだ 「 俺の名前はジョン、その人は俺達のマスターでルカ、そして此方の女の人がエルザ、気軽に宜しくね 」 ルカ?余りにもしっくりこない名前に男に向け睨んでいた視線が緩くなればルカと呼ばれた男は振り返りゆっくりと立ち上がる 「 まぁ、仕事上の偽名だ。で……御前は自分の名前すら思い出せないのか? 」 『 偽名……そう、何故か分からないんだ 』 偽名、其なら理解できると独りでに納得してから名前が思い出せない事に額に触れて考えていれば立ち上がった男はもう一度俺の前にやって来た あの時のような身長差の違和感は無く、其でも10㎝は高い相手に視線を向ければルカは俺の頬に触れる 「 名前だけ先に見付けてきてやる……上手く"行ける"かは分からないがな…… 」 『 どういう……っ!! 』 二人のジョンとエルザが見てるのにこのルカと言う男は耳を舐めてきた事に視線を彼等に向ければ二人は遠慮してか顔を反らした 其より止めろと言う言葉は痛みによって発することなく終わる 『 あっ……! 』 首を咬まれ穴が開く感覚と共に吸われればルカは自らの首元を晒す 「 御前も咬め、さっさとしろ 」 『 っ…… 』 理解出来ないけれど其でもやるべきなのかとルカの首へと噛み付いてきた けれど彼のように歯を立つ事すら出来ずに只意識だけが朦朧とすればルカは舌打ちを漏らす 「 ジョン 」 「 ……はいよ 」 ガタンと膝から倒れた俺は最後に見たのはジョンと呼ばれた金髪の男が刀を抜きルカに向けて振り上げた瞬間だった …… ………… 『 此所は…… 』 目の前は自分の家で懐かしさも感じる所に周りを見渡せば背後からガタッと音がすれば其処にはルカが壁に凭れ立っていた 「 此所が何処か覚えているか? 」 何処か辛そうな様子に疑問にながらも俺は周りを見渡し頷いた 『 俺の家だ……家族が居た…… 』 「 そうか、なら御前の名前を探すぞ 」 『 え、探すって 』 「 住民手帳や学生証とかな 」 人の家を土足のまま歩き出したルカはそのまま電話の置かれた引き出しを開ければ廊下を進んでいく 『 あ、待てよ 』 「 さっさと探せ。時間がない 」 『 時間がないって、 えーと……身分のわかるもの…… 』 部屋を探りながら自分の名前っぽいものが無いかと見渡し ルカがリビングへと行ったところで俺はキッチンへと行き 料理が有ることに気付く 『 そう言えば今日は…… 』 何故か今日と言ってしまい、知ってるような気がすることに自然に足はキッチンから出て廊下を歩いた 「 嗚呼、御前の名前はこれだろ…… 」 俺の何かを見付けたルカをそのままに置くの部屋へと向かった俺は薄く開いた扉を開ければ目を見開いた 『 !!! 』 「 ……っ 」 走ってやって来たルカはその光景に目を見開き奥歯を噛み締めた
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