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とろりと溶けたチョコとマシュマロの甘さと、クラッカーのちょっとした塩気がマッチして美味しい。
これはキャンプじゃなくても作りたいな。
椅子の背もたれに体をあずけ、川の流れる音と風で擦れあう葉の音をBGMにスモアを食べる。
なんて贅沢な時間なんだろう。
少し肌寒いけれど、暑い方が苦手な私からすればひんやりしている方がいい。
夜は星が見えたりするだろうか。
今のところ雲はないから見えるかもしれない。
でも山の天気は変わりやすいとも言うからなぁ。
遠くの方で子どもたちのはしゃぐ声が聞こえてきた。
家族連れでキャンプに来たのかもしれない。
澄んだ空気を吸い込み、椅子の背もたれから体を起こす。
先にいくつかスモアを作り、それを紙皿に乗せる。
その紙皿を大事に抱えて、また椅子の背もたれに深く沈んだ。
「はぁ……最高」
これだけで幸せだ。
静かな場所は落ち着く。
普段はイベント関係の仕事をしているから、基本的に騒がしいんだよね。
「晩ご飯まで寝ようかな……。あーでも自然の中での読書もしてみたいなぁ」
鞄越しに持って来た本を見つめる。
まだまだ時間はたっぷりあるんだし、川遊びも晩ご飯作りも読書もしっかり楽しまないとだよね。
私はぱくっとスモアを頬張り、このあとの予定に思いを馳せた。
了
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