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(結局今日も、シオンに好き勝手にされちゃってる……)
こんなの良くないと反省しても、次に活かせた試しがない。
そもそもシオンを部屋に入れなければいい話なのだろうが、ユノにその選択権は与えられていないのだ。
皇帝が寝てから、瞬間移動のような力を使ってシオンは勝手にユノの部屋に訪れる。何もないところから現れたシオンを初めて見た時、本当にシオンが人ではないのだとユノは実感した。
しかしそんな驚きさえも、数分後には快楽に溺れて頭の中から消えてしまったし、一度押し倒されてしまうと抜け出す事は難しい。口吸いされると力が抜けて、シオンに抱かれている最中はまともに頭が働かなくなる。
本当に、麻薬みたいな行為だ。
都合よく使われているだけだと分かっているのに、ただただ気持ち良い行為だから最後まで応じてしまうし、最終的にはユノからも求めてしまう。
朝起きたらシオンはいつの間にか部屋からいなくなっていて、日中は猫の姿でユノの前に現れるのだから頭がおかしくなりそうだった。
優雅に本宮内を歩く可愛い猫が、昨夜あんなにいろいろとしてきた男と同一だとはとても思えない。
(どんどん駄目な方向に流されていってる気がする……)
不定期とはいえ、少なくとも週に三回はシオンとそういう行為をするようになってしまった。
どんどん身体がおかしくされていくようで、あまりにも簡単に感じてしまう自分が嫌になる。
昨夜も散々シオンに抱かれたはずなのに、初めての時のような倦怠感はもう全く感じない。たとえ二日連続だろうと問題なく行為ができるだろうし、すぐに感じて気持ち良くなれる。
なんだか、酷くいやらしい体になってしまったような気がする。自分がこんな人間だったなんて気付きたくなかった。
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