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「い……いいです、本当に。そんなの……」
「今後も連れ込まれたら困るんですよ。陛下はシオン様が関わると判断が鈍りますし、どうせお前も見逃されるでしょう。だから来てやったんです。教えてやるから早くしろ」
「……っや」
腕を引かれて足がもつれる。寝具の上でもないただの床に転がされ、柱の前でユノは尻餅をついた。
「いった……」
「ああ、すみません。言い合いするのも時間の無駄なので」
「は……?」
「一度始めればどうせすぐその気になるでしょう。それならさっさと始めさせてください」
「まっ、やだ……ちょっと、……っ!」
ユノを丁寧に扱う気など、ヤンには微塵もないのだろう。彼の動きはあまりにも乱暴で性急だった。
服を脱がされたというより、乱されたと言う方が近い。胸や下半身を覆う部分がはだければ、どんな状態でも構わないのだろう。無理に引っ張られ下ろされた衣服は、ユノの腕や足首に中途半端に引っ掛かったままだった。
服を剥かれた状態で両腕を掴まれ、後ろに纏めるようにして紐で縛られる。その腕が動かせないように柱に固定されると、座ることさえ許されないのだとユノは悟った。
「や、やめてください、こんなの……」
ユノの発する声が震える。
裸に近い状態で動きを封じられ、目の前には自分よりずっと力の強い男がいるのだ。怖くて怖くて堪らない。
今から自分が何をされるか容易に想像できるからこそ、ここで流されるわけにはいかなかった。
ヤンはユノのことをよく思っていないどころか、自分の性欲のために部外者を本宮内に手引きするとんでもない女だと思っているのだ。いつ陛下に害を加えるか分からない存在に対して、ヤンが手加減をしてくれるとは思えない。
どこまで酷いことをされて、無様な姿を晒すことになるのか。そんなの、考えたくもなかった。
「あの……ちが、ちがいます。ほんと、何もしてません私……まって、いやです。聞いてください。本当に私は何も、本宮内に部外者を引き入れたりだとか……」
「ですから、お前のその身体に残っている痕が何よりの証拠でしょう。こんな状態で言い訳なんて必要ありませんよ」
自由に腕を動かすことができず、こんな格好では服を直すこともできない。
話を聞いてくれる気も全くないようで、ヤンの視線がユノから包みの中に移される。
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