第21話 ノンフィクション率 60%

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 暑い日差しから逃れる為に入った電機量販店の中、涼みながら回る店内にも家族連れがいくらか同じ様にそぞろ歩いている。  「わー、すごーい」  夏休み中の散歩なのか買い物なのか、すれ違った子供が大画面を見て大喜びしていた。  「すごいね! あれすごいね! お母さん!」  見ればオリンピック柔道がその大画面に迫力満点に映し出されている。  どうやら技が決まって日本選手が勝った場面らしい。 (*゚∀゚)=3 「カブトムシの決闘みたいだよ!」 ( ´ー`) 「ホントだね~」  心の中では速攻で突っ込んだ私、悪くないと思う。  『ちゃう!!それ巴投げ!』  柔道に興味がなければ詳しくなくて仕方ないのかも知れないが、訂正したくてムズムズする。  落ち着け自分。  ここで突っ込んだって、新鮮な興奮と家族団欒に水を差すだけだ。  せっかくの夏の思い出がいまいちになりかねない。  耐えろ、私!  了
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