あなたと私の関係は?【書籍未収録短編】

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「先生」  私は涙をこらえながら彼を見つめた。 「おつかれ」  と彼は労いの言葉をくれた。  人生においてこれほどきらきらしたクリスマスを過ごしたのは、おそらく今日がはじめてだろう。このドラマのような展開に私はまさにヒロインとして世界の中心で彼の愛を感じたのだった。  そして日付が変わり、12月25日。 「らっしゃーい。メリークリスマース」  威勢のいい声が吹っ飛んでくる狭い店のカウンター席に座ってビールを注文するふたり。それが私たちだ。  上山悠香、本日無事に誕生日を迎えたばかりです。  ああ、三十路が見えてきたよ。  そして、私のとなりにいる彼は。  青砥英輔、本日私が2時間以上遅刻したにもかかわらず、待ち合わせ場所で待っててくれた神のように寛大な心をお持ちの人。  私が高校のときの担任教師。そして。  私の、好きな人。
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