あなたと私の関係は?【書籍未収録短編】

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 ビールが出てきたので、ふたりで乾杯をして飲んだ。これがまた、たまらなくおいしい。やはり走ってきたせいもあるのか、緊張の糸が切れたからなのか、喉がカラカラだったのでビールがうますぎる。一瞬でジョッキは空っぽだ。 「はえーな」  先生が驚いた。 「すみません、もう身体が砂漠なんです」 「謝らなくていいよ。オアシス完了?」 「ばっちりです。でもおかわりします。すいませーん!」  また店員さんを呼んでビールを注文した。  今日は特別な日。  先生とはじめて過ごすクリスマスは、ラーメン屋です。  ええ。特別な日、です。 「いつもどおりの上山に戻って安心した」  先生が口もとに笑みを浮かべながらやさしいお言葉をくださるものだから私の胸がきゅん。 「え、どうしてですか?」  あくまで冷静に訊ねるが。 「泣くんだもんな。驚いた」  さっきのことか。忘れてほしい今すぐに。思い出すのも恥ずかしい。 「ごめんなさい。感情が高ぶっていたんです。あんな弱いところを見せてしまって、お恥ずかしい限りです」  この歳になって泣くとか、どんだけメンタル弱いのか。  いや、しかし。9割は先生のやさしさに胸が打ち震えた感動の涙だったのだ。 「いや、かわいかった」  とんでもない言葉を耳にした。  今のは私の聞き間違い? それとも先生の言い間違い?   先生はどんな思いで言ったのだろう。私のことをかわいいと。かわいい、かわいい……最高だ。
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