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「あがっ……かかっ」
こめかみに突き刺さる……鉛筆とかハサミとかを引き抜いて、僕を見下す目ん玉に突き立てる。
「はぅっ……」
僕よりも大柄なのに、弱々しいものだ。
ペチペチも僕の腕を叩くばかりで、だんだんと抵抗もなくなっていった。
片方の目ん玉だけじゃ意味がないので、ハサミを引き抜いてもう片方に刺しておいた。
これでもう、僕を見下せない。
とてもスッキリした気分だ。
「店長?て……ん、ちょ」
背後から声がして振り返ると、おばさんが青ざめた顔をしていた。
ああ、そうだ。聞いておこう。
「お金盗りました?」
おばさんは呆然としたまま答えなかったので、もう一度尋ねた。
「お金を盗りましたか?」
するとおばさんは、ガクガクと頷いて、ポケットから二万円を取り出した。
人って見かけによらず、意外だよね。
お金を受け取るために、てくてくと近づくと、おばさんは膝を震わせて、尻餅をついた。
腰が抜けたらしい。
なんか、いいね。
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