ぜんぶ***ばいいのに

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みんなこういう気分を味わってるんだ。 「こ、ここ殺さないで」 おばさんの手から二万円を抜き取り、くるくると丸めた。 こうしたら、うまく入ると思うんだ。 「たすけ――」 ザシュッ。 胸を思い切り突いて、素早く抜くと血がピューと吹き出す。 そのせいで事務所が汚れてく……。 汚れてく。 ああ、汚れるんだね。 もっと輝かしい、僕とは違う血の色をしてるかと思ったけど、とっても汚いや。 「ごめんなさい、おっぱい触っちゃって」 これは不可抗力だと思う。 ハサミを刺そうとしたら、おっぱいが指に当たったんだ。 セクハラとか痴漢だとか、変態呼ばわりはされたくないので謝ったけれど、おばさんは仰向けに倒れた。 今度こそおっぱいに触れないように、丸めた二万円を差し込んだ。 傷口にすすっと入って、なかなか気持ちの良い感触だった。 他人に優しくしない奴らとは違って、僕は優しいからね。 とっても二万円が欲しいみたいだから、ちゃんとあげるよ。
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