大降下時代

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山。 地面が盛り上がっただけのスペースに 人類は異常な拘りをみせる。 とは言え 世界最高峰エベレストは既に踏破され 太陽系最高峰の火星のオリンポス山(標高21230m)を 攻略するには未だ時期尚早なこの時代、 山への妄執をどこにぶつけたらよいのか。 国土の4分の3が山地か丘陵である日本は ドイツ、イタリア、イギリスなどとともに 登山人口が多い国であるが その人気も徐々に廃れつつあった。 ラディカルなアルピニストの集団である日本嶽人狂会は ロマンに餓えていた。 そんな中、総帥である山口萬の脳を 痺れさせた天啓が 「底に山がある」だったのだ。
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