15人が本棚に入れています
本棚に追加
カーテンの隙間から朝日が差し込む。私は、まどろみの中で腕を伸ばし、スマホを手に取った。時間を確認すると、まだ起きるには少し早い。
「む~、眠すぎる……」
つぶやきながら再び目を閉じると、アラームが鳴り響いた。
「……はぁいはいはい」
アラームを止めて、布団の中で軽く伸びをする。本当はもう一度目を閉じたいところだけど、そうもいかない。今日は夏休みで初めて部活がない日で、友達と海にいく約束をしているんだから。
私は守屋美海、占い好きの高校一年生。
昨夜はなかなか寝つけなかった。だって、海には密かに片想い中の拓海もくるんだもーん。
昨日、部活の先輩がよくあたると教えてくれたナザリン彩華の占いサイトで今日の運勢をチェックしていたら、私の星座、獅子座の恋のラッキーアイテムが『山』だった。海にいくのに山~? と思ったけど、隣に載っていた恋のおまじないによると、小皿に砂糖を山型に盛って月光をあてると効果倍増らしい。私は指でぎゅぎゅっと砂糖の山を作り、月光があたる窓辺に置いて眠ったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!