桜が咲く日

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今は父も働いているし、私たち二人を快く迎え入れてくれているが、きっといろいろ思うこともあるだろう。 そんな気持ちを隠すように、私は明るく声を上げる。 「ねえ、なんか新入社員みたいじゃない?」 キッチンで自分のコーヒーを用意しながら、母に問いかければ、まじまじと母も私を見る。 「確かにそう言われればそう見えるけど、気持ちは新入社員みたいなものでしょ? いいんじゃない?」 明るく言ってくれる母に、私も笑顔を浮かべる。 「彩華、今日は瑠香は俺が送っていくから」 新聞を読んでいて、私の姿に興味を持っていないと思っていた父の言葉に、「え?」と聞き返す。 「久しぶりの仕事なのに、遅刻はダメだからな」 そう言いながらも、父は瑠香を見ると表情を崩す。 「瑠香、じーじと一緒に行こうな」 「あーい」 意味がわかっているのかどうかわからないが、口いっぱいにおにぎりをほおばりながら瑠香は私にバイバイと手を振った。 「そう、じゃあお言葉に甘えて。お父さんありがとう」 「ああ」 私の素直なお礼に少しバツが悪そうな父を見て、母もクスクスと笑い声をあげた。 「いってきます!」
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