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加奈先輩が目をキラキラさせながら問いかける。
「そんなことはないよ。打ち上げや祝勝会に使えばいい」
クスっと笑って答えた日向に、みんな嬉しそうに言葉を交わしていた。
「東雲、このプロジェクトの資料本当にわかりやすかった。今日ぐらいお前も行ける?」
瑠香のことを心配してくれているようで、神代さんが労いと一緒に聞いてくる。ここ最近、仕事で遅かったから、帰られるのなら帰った方がいいと思い悩んでいると、後輩たちが私を見た。
「東雲さん、行きましょうよ。今日ぐらい」
みんなが盛り上がっている場で、私だけ行かないというと水を差す気がして、私は「電話してみます」と笑顔で答えた。
もちろん、母に電話をすれば大丈夫だから、たまには羽を伸ばしてきなさいという返事だった。本当にありがたい。私もこの会社でこうしてみんなと飲むことは最後かもしれないと、参加することにした。
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