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「瑠香……大丈夫？ 痛かったね」
そんな私たちに、ドクターが戻ってきてレントゲンを確認している。
「足は捻挫だと思いますが、頭を打っていることも否定できないということでしたので、明日の朝までは注意して様子を見てあげてください。ここでは頭部のMRIを取れないので。もし何かあれば、すぐに大きな総合病院の受診を」
その言葉に不安でいっぱいになってしまう。何かあったらどうしよう。
「それでは、西城総合病院に紹介状を書けますか？」
後ろから聞こえた声にそこでまだ日向が一緒にいたことに気づく。
「西城ですか？ もちろんかけますが、見てくれるか」
ドクターも都内で一番大きな病院ということで、すぐに見れるかという疑問が沸きあがったようだった。
「大丈夫です。もう連絡してあるので」
「あの、副社長？」
私が戸惑いつつ声をかければ、隣の母が目を見開く。
「え？ あなた日向君？」
問いかけられた日向は、少し表情を硬くした後「ご無沙汰をしております」そう深々と頭を下げた。
「私の懇意の脳外科医がおります。今から見てもらうように頼みましたので」
「え？ 本当？」
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