曇りのち晴れ ー始まりー

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曇りのち晴れ ー始まりー

それからの日向の行動は驚くほど早かった。 翌日、私たちを迎えに来たその足で、両親に挨拶と詫びをしたいと言われた。 あんな伝え方をしてしまって彼はどうするのだろう。そう思っていたが、驚くほど冷静な彼に私の方が落ち着かない。 昔はよく日向も一緒に食事をしていた居間に、無言の父を前に頭を下げる日向の姿を、私は現実ではない気がしてただ少し後ろに座っていた。 「本当に申し訳ありません。彩華が知らせなかったのも、父親を言わなかったのもすべて俺の責任です」 瑠香は足がまだ痛いようで、少しぐずった後、日向が迎えにきた車の中で眠ってしまった。いつの間に用意したかわからないが、高級なSUVの後部座席にはチャイルドシートがついていた。 そこから壊れ物を卸すように、瑠香を抱き上げていつも昼寝をしているベッドへと日向は寝かせた。 日向がわざわざ連れてきてくれただけと思っていた両親だったが、こうして頭を下げる日向に動揺は隠せないようだ。 「間違いはないのか、彩華」 その問いに私は一瞬頷くのをためらってしまう。昨日は勢いで伝えてしまったが、ここで認めてしまえば後戻りはできない気がした。 「それは……」
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