1/1
前へ
/6ページ
次へ

「ねえ、英次。ケンカに勝つ方法、知りたい?」 「ううん。知りたくない」 「なんで?」 「意味のないことだ」 「ボク達、似てる。ボクも同意見」 エリーミカは、ニコッと笑う。 「ボクは、遠い星からいつも英次を見ていた。イジメっ子に、真っ向から立ち向かう英次はカッコいい。ボクと友達になってくれないか?」 「うん。いいよ。その代わり僕もエイリアンがいい」 「うん。いいよ」 英次は、初めて笑った。 そして、色々な話をした。 両親が、いつも家に居ないこと。 友達が、出来ないこと。 本が、好きなこと。 スポーツが、苦手なこと。 音楽が、好きなこと。 好きな子が、いること。 「エリーミカの星に行きたい」 英次は、なんとなく呟いた。 「ううん。それは出来ないんだ」 エリーミカは、少しうつむく。 「どうして?」 「少し、危険な星なんだ」 「そうなんだ」 「ねえ。英次。ずっと友達でいてくれる?」 「うん。ずっと友達だよ」 その、次の日も、次の日も、次の日も、二人で沢山話をした。とても幸せだった。 でも、ある日...。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加