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話
「ねえ、英次。ケンカに勝つ方法、知りたい?」
「ううん。知りたくない」
「なんで?」
「意味のないことだ」
「ボク達、似てる。ボクも同意見」
エリーミカは、ニコッと笑う。
「ボクは、遠い星からいつも英次を見ていた。イジメっ子に、真っ向から立ち向かう英次はカッコいい。ボクと友達になってくれないか?」
「うん。いいよ。その代わり僕もエイリアンがいい」
「うん。いいよ」
英次は、初めて笑った。
そして、色々な話をした。
両親が、いつも家に居ないこと。
友達が、出来ないこと。
本が、好きなこと。
スポーツが、苦手なこと。
音楽が、好きなこと。
好きな子が、いること。
「エリーミカの星に行きたい」
英次は、なんとなく呟いた。
「ううん。それは出来ないんだ」
エリーミカは、少しうつむく。
「どうして?」
「少し、危険な星なんだ」
「そうなんだ」
「ねえ。英次。ずっと友達でいてくれる?」
「うん。ずっと友達だよ」
その、次の日も、次の日も、次の日も、二人で沢山話をした。とても幸せだった。
でも、ある日...。
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