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拓真が恨めしそうに私を見た。
「ほら、碧ちゃん。やっぱり俺が怒られた」
「だって、申し訳ないと思って……」
「ん?んんっ?」
私たちのやり取りを耳にして、池上が目を見開いた。私と拓真を交互に見て、不思議そうな顔をした。
「今の『碧ちゃん』っていう名前呼びは、何?いつの間にそんなに仲良くなったんだよ。この前来た時はそんなんじゃなかったよな」
「それはですね……」
拓真は私の顔をちらと見てから答えた。
「実は俺たち、学生時代付き合ってたんですよ」
池上の目が驚いたように見開かれた。
「それで、またつき合い出したってこと?」
拓真は私の顔を見て、確かめるような言い方をする。
「そういうことでいいのかな」
「その曖昧な言い方、気になるな」
ふむ、と考えるような目をする池上に、私は言った。
「池上さん、もう梨都子さんから聞いてますか?私が泊めていただきたいって言ってるってこと」
「え?泊める話?いや、まだ聞いてなかったけど……。なんかあったの?」
「えぇ、まぁ……。詳しい事情は梨都子さんが来たら話そうと思ってて。その時、改めて池上さんにもお願いしたいなって思ってたんです」
「事情?何か困ったことでも起きたのか?梨都子がいいんなら、俺は全然構わないよ。その話は後で聞かせてもらおう。それならテーブル席の方が落ち着くかな。今日はこの通り席はがらがらだから、好きな所に座って。ところで二人とも、晩飯は食べてきた?」
私と拓真は口々に言う。
「まだです」
「腹減ってます。ここで食べようって思ってたんで」
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