1.幼馴染が鬼上司

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「え、鬼上司? そういえば……私が面接した時って、直属の上司になる方が海外出張に行っていて、お会いできていないんですよね。人事部長と面接して採用になっていて。鬼上司、どんな人なんだろう……」  そんな話をしていると、人事担当者と人事部長の2人が会議室に入ってきた。面接で一度会っていることもあり、見知った顔が現れると少しホッとする。 「濱本さん、春田さん、リュミエールホールディングスへようこそ! 人事部長の長谷侑一郎です。二人とも面接でお会いしましたね。  パソコンのセットアップと言った必要な作業は、人事部の加藤さんが説明します。私は挨拶だけで失礼しますが、いつも社内におりますので。何か困ったことがあったら、いつでも相談してください」  長谷さんの爽やかな笑顔が、私と春田さんに向けられる。笑顔が眩しい、というのがぴったりだ。挨拶だけ済ませた長谷さんは颯爽と会議室を後にした。  その後、人事部の加藤さんから説明を受けながら、必要な手続きを終わらせていく。  午後は配属部署で業務の説明を受けることが決まっていたので、お昼は各自済ませることになり、自然と春田さんからランチに誘われた。 「濱本さん、ランチ行きましょう! 近くに美味しいお店がいくつかあるみたいで、事前にチェックしておいたんですよね」 「春田さん、もうそんなにこの辺りのこと把握されてるんですか? もしかして、結構グルメ?」 「食べることは大好きですね。俺、こう見えて昔は野球部だったんですよ。今も鍛えてはいるので、結構量も食べますし。食べるなら美味しいものを食べたいですからね!」 「野球部かぁ、確かに筋肉凄くついてそう。あ、リュミエールのスポーツ用インナーを使ってたんですか?」 「正解です! なので、転職活動する時に自然とこの会社が候補に入った感じですね」  その後、丁度良いレストランを見つけてご飯を食べながら、春田さんは色んなことを教えてくれた。
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