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10.野生的な彼と、彼の元カノ ※
アキくんの言う『抱き潰す』と言うのは、夜の話かと思っていたけれど……自宅の扉を閉めた途端、扉とアキくんの間に挟まれてしまう。
「え、アキくん? ちょ……んっ!」
まだ靴も脱いでいない状態で、突然唇を塞がれる。ちゅぅ……ちゅっ……と、何度も吸い付くようにキスを繰り返された。
突然のことにググっと押し返そうとしても、厚い胸板はびくともしない。むしろ、勢いは増すばかりで。
強引なのに甘く優しい口付けが降り注ぎ、脳の奥の方がトロリと溶けていく感覚になっていた。
「ハァッ……んんッ……アキくん、ちょっと」
「何?」
「待って、ここで、するの?」
「ダメ?」
そう言うとアキくんの舌は歯列をなぞり、手はするりと服の中を滑り込ませていく。
パチンと器用にブラのホックを外し、性急な手つきで片側の乳房を持ち上げるようにして揉み始めた。
前に最後までした時は焦らされてばかりだったのに、今回は荒い息遣いと共に攻め立てられていく。
目の奥に獰猛な動物が住んでいるかのような、野生的な視線とぶつかり、見たことのないアキくんにゾクゾクッと情欲を煽られた。こんな感覚は初めてで。私はアキくんに身を委ねる。
「あっ……そこ、やぁ……」
「麗、ここ弄られるの好きだろ?」
彼は尖り立った蕾をちゅうっと吸い付き、舌先で転がすように弄ぶ。
もう片方の乳房も揉みしだかれ、与えられる快楽に体を捩らせた。ちらりと下に視線を向けると、上目遣いのアキくんと目が合う。
「麗、涙目になってる。可愛い」
突然の『可愛い』に顔がカァッと熱くなっていく。
恥ずかしい、でももっとアキくんが欲しい。
腰が砕けてガクッと座り込みそうになるが、アキくんはそれを許さなかった。
「まだ」
「え?」
アキくんの手がバサっとスカートを捲りあげ、履いていたショーツを引きづり下ろす。
「麗、これ脱いで」
「え? ま、待って」
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