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そうして、スタジオにある家具や持参した小物類を組み合わせて、撮影環境を整えていった。
カメラマンさんが到着してからは、今回の新商品のコンセプトを伝え、先にランジェリーだけで物撮りをしていく。
モデルさんが到着するまでに出来ることは、全て滞りなく進めることができた。
(そろそろモデルさんが来る時間かな……)
ふと、スマホに表示される時刻を確認すると、突然電話が鳴り出した。
「はい、リュミエールホールディグスの濱本です」
『もしもし、濱本さんですか? 本日ランジェリーモデルを依頼されているモデル事務所の鈴木です』
「鈴木さん! いつもお世話になっております。何かありましたか?」
『それが……大変申し上げにくいのですが……今日依頼されていたリサが食中毒で体調を崩しておりまして、対応するのが難しい状況なんです……』
「えぇっ!?」
私はつい大きな声を出してしまい、異変に気付いた道重さんが『何かあった?』と小声で声をかけてくれた。
「それが、モデルを依頼していたリサさんが食中毒で、今日来れないそうで……」
「大変! で、代役は立ててもらえそう?」
「ちょっと確認してみます」
再び電話に意識を戻し、鈴木さんに代役を立てられそうか尋ねることにした。
「鈴木さん、リサさんの代わりに対応頂けそうなモデルさんはいらっしゃいますか?」
『それが……同じような外国人モデルが軒並み体調を崩していて。今から日本人モデルで探そうと思うのですが……日本人モデルだと、想定していたイメージと変わってしまいますよね。あの、本当に申し訳ございません!!』
「そうですね……弊社でも、他に繋がりがある事務所を当たってみます。鈴木さんも、もしどなたか良さそうな方がいれば、すぐにお電話ください」
『はい……こちらでも力を尽くします……』
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