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「おかえりなさい」
妻はいつものように出迎えてくれた。
愛くるしい笑顔で………
「3ヶ月の出張ご苦労さま」
妻は俺の労を労いながら、鞄を取り上げた。
いつもと変わらない愛しい妻だ。
ただ気になる点がある。
「声はどうしたんだ?」
妻の声に違和感を感じた。
でもすぐに答えが出た。
「ちょっと風邪気味で。喉をやられたみたい」
妻は小さく咳き込んだ。
「なるほど。長い間、留守にしてしまって本当に申し訳ない」
「そんな……いいのよ。それよりも今晩はたっぷりと私を愛してよ」
そう言いながら妻は俺に抱きついた。
「早くあなたの子供が欲しい」
「………ああ、そうだな」
俺は寂しい思いをさせた分だけ、妻を抱きしめた。
「でもまずはご飯だな。お腹空いちゃった」
俺は妻から離れるとリビングへと足を運んだ。
「今夜はあなたの好きな豆腐ハンバーグよ」
「楽しみだ」
後ろから妻の楽しそうな声に俺も愛想良く返事をした。
ところが歩けば歩くほど妙な違和感を感じた。
なんだろうか。
この違和感は…………
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