違和感だらけの家

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「待ってろ。すぐに助けてやるからな」 俺は妻をクローゼットから出すと、手に持ってた包丁で縄を切った。 そして最後に口の中にある布を切ってやると、妻は大きく息を吐き出した。 妻の顔を見て衝撃が走った。 大きな痣があったのだ。 恐らく妻を語る女に殴られたのだろう。 左眼にできた大きな青タンがそれを物語っていた。 それでも妻は俺に心配かけさせまいとした。 「遅いよ」 俺に文句を言って強気な態度を取っていたが、それが振りなのはすぐに分かった。 「悪かった」 俺は全身が震えている妻を優しく抱きしめながら謝った。 終始、強気だった妻の表情が一気に崩れた。 タガが外れたように涙を流し、寝室内は妻の泣き声で溢れかえった。 俺は妻の気が済むまで抱きしめてあげていた。
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