互いを知り尽くしてこその夫婦

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「やっと出られたというのに、また罪を犯すとはな……しかも俺の大事な人を巻き込みやがって」 俺は女を睨みつけながら語気は強めに言った。 大事な人を監禁したのだ。 許しがだい所業だ。 怒りはある。 だけど今は仕事に集中しよう。 俺は怒りを必死で堪えながらも話を続けた。 「それにしてもお前の計画はずさんもいいところだったな。顔を妻に似せただけで俺を騙せるとでも思ったか?」 「………どうしてよ」 初めて女が口を開いた。 どうやら癇に障った様だ。 「やっと口を開いたな。顔を似せても声だけは流石に無理だったようだな」 「だがな……」と言い話を続けた。 「たとえ風邪気味を信じてもお前の負けは決まっていた。何故なら俺は妻が偽者だと気付いていたからな」 「……嘘よ。そんな事有り得ない」 女に初めて動揺の表情が生まれた。 「有り得ない。どうしてそんな事が言える。あの時の違和感がそれを証明てくれている」 どうやら女は理解できないでた。 だから俺は最初から説明してやることにした。
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